営業という仕事は、結果が数字に表れやすく、モチベーションも高めやすい半面、会社や業界によっては評価制度に大きな差があります。そのため、いくら頑張って成果を出しても、正当に報酬に反映されない場合もあるのが実情です。
そこで今回は、20代の営業職の方が転職を通じて“給与アップ”を実現するために、どんなポイントを抑えるとよいのかを詳しく解説します。自分の市場価値を客観的に把握し、今の会社より高待遇の企業へチャレンジすることは、決して夢物語ではありません。むしろ20代だからこそ、今後のキャリアを大きく変えていくチャンスとも言えます。ぜひこの記事を参考に、未来を切り拓いてください。
給与アップを狙う転職はアリ?
「給与アップを最優先に考えて転職するなんて、少し後ろ向きな理由なのでは…」と感じる方もいるかもしれません。しかし、営業職においては成果が報酬に直結する度合いが大きいのも事実。自分の努力がきちんと給与に反映される環境を求めるのは、決して悪いことではありません。
- 労働市場が活発
特にITや技術分野、コンサルティングなどの成長業界では、人材不足から営業担当の採用を積極的に行っている企業が多くあります。スキルや経験次第で高めの報酬を提示してくれるケースも増えています。 - 若さを活かせる時期
20代はまだまだ吸収力が高く、柔軟に新しい環境に順応しやすい年代。転職先での研修やOJT(On-the-Job Training)を経て、短期間で成果を出せる可能性が高いとも言えます。それを評価してくれる企業なら、最初の提示額も高めに設定されやすいでしょう。 - キャリアの軌道修正がしやすい
もし転職後に「思っていたのと違う」と感じたとしても、20代なら再度の転職やキャリアチェンジもまだ十分に可能です。早めに行動を起こせば、将来的に大きなロスにつながりにくいのが魅力です。
給与アップを目指す転職は、“後ろ向きな動機”ではなく、“自分の価値を正当に評価してもらう”ためのポジティブな行動とも言えるのです。
どうすれば自分の価値を高められる?
20代の営業職が転職によって給与アップを実現するためには、「自分がどんな成果を残せる営業マンなのか」をしっかりアピールできる必要があります。以下のポイントを意識して自分の価値を高めていきましょう。
- 数値化できる実績の明確化
「前職で新規顧客を○件獲得」「既存顧客のアップセルを○%増やした」「売上を××万円から△△万円に伸ばした」など、営業成果を数値で表せると、企業がイメージしやすく評価しやすいです。自分の実績を振り返り、できるだけ正確な数字をまとめておくと◎。 - 提案力やプレゼン力を証明
営業は商品やサービスを売る仕事ですが、その本質は“問題解決”です。クライアントの課題を的確に捉え、ソリューションを提案できるスキルはどの業界でも通用します。自分がどんな工夫をして課題を解決してきたのか、具体例を準備しましょう。 - コミュニケーション力・チームワーク
単独で動くことの多い営業職でも、社内のサポートやチームとの連携が不可欠。周囲を巻き込みながら結果を出せる人物は、高評価を得やすいです。過去にチームで成果を上げた経験や、他部署とのコラボレーションをスムーズに進めたエピソードをアピールすると効果的。 - ITスキルや語学力
グローバル化が進む現代では、英語や中国語などの語学力はプラス要素に。さらにCRM(顧客管理ツール)やExcelでのデータ分析など、ITスキルがあると、高度な営業戦略を実行できる人材として重宝されます。
こうしたスキルを積み重ねることで、自分が企業に提供できる価値を引き上げ、その結果として高給与を提示してもらえる可能性が高まるのです。
どんな業界を狙えばいい?
「営業職」とひと口に言っても、その活躍の場は幅広く、業界によって給与相場も大きく異なります。給与アップを目指すなら、需要が高く、利益率が高い業界や、成果主義が浸透している業界を狙うのも手。いくつか例を挙げてみましょう。
- IT・ソフトウェア業界
新型コロナウイルスの影響でDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が加速し、ITソリューションの需要が急増しています。IT製品・サービスは付加価値が高く、成果に応じたインセンティブを設定している会社も多いです。 - コンサルティング業界
戦略コンサルやITコンサルなど、企業の課題解決に特化したサービスを提供するコンサル業界は、クライアントからの高いフィーを得ることが多いため、営業職の給与レンジも比較的高めです。ただし、専門性が求められるケースが多いため、関連する知識や資格の取得がプラスになるでしょう。 - 不動産業界
物件の契約が成立したら高額の成果報酬が得られるなど、インセンティブ重視の仕組みが整っている企業も少なくありません。営業ノルマは厳しいことが多いですが、その分、成果をダイレクトに給与に反映させやすいです。 - 金融・保険業界
保険や金融商品など、長期的にお客様と関係を築く必要がある商材の場合、営業力だけでなく、知識や信頼構築スキルが問われます。大変さはありますが、一度獲得すると継続的な手数料収入につながる仕組みがある企業も。そこで成果を上げれば高収入を狙うことも可能です。
営業職の転職で給与アップを実現したいなら、自分の強みや興味に合った業界を選びつつ、「どれだけ成果が評価されるシステムがあるか」をチェックするのがポイントです。
転職エージェントを使うべき?
20代で営業職として給与アップを目指すのであれば、転職エージェントを活用するのもおすすめです。なぜならば、エージェントを通じて転職活動を行うことで、以下のようなメリットが得られるからです。
- 非公開求人が豊富
エージェントは、企業の中でも“限定的な採用枠”や“高い報酬を提示できるポジション”の求人を持っていることが多いです。一般的な転職サイトには掲載されていない好条件の求人に出会えるチャンスが増えます。 - 給与交渉を代行してくれる
自分で年収交渉をするのは気が引ける…という方でも、エージェントが間に入って交渉してくれれば負担を軽減できます。営業職の転職で「前職よりも100万円以上アップした」という事例も珍しくありません。 - 面接対策や書類添削のサポート
転職エージェントは職務経歴書や自己PRの書き方を熟知しており、営業経験を最大限にアピールするためのアドバイスを受けられます。面接での質問対策や業界情報の提供もしてくれるので、内定獲得率が高まる可能性があるでしょう。 - 内定後のフォローも充実
内定が出たあとも、入社日の調整や引っ越し・住まいの相談など、細かいサポートを行うエージェントも存在します。新しい環境にスムーズに移行しやすくなるのは大きな安心材料です。
営業職で転職を検討しているなら、少なくとも1社はエージェントに登録しておくと、有益な情報を得やすくなるはずです。
面接でアピールすべきポイントは?
営業職の転職面接では、「あなたがうちの会社でどんな成果を出してくれそうか」をイメージしてもらえるかが勝負です。以下のポイントを押さえて準備しておくと、面接がスムーズに進みやすいでしょう。
- 具体的な実績・数字
「新規顧客の獲得数」「達成した売上金額」「既存顧客へのアップセル率」など、自分がどれだけ会社に貢献してきたかを、面接で端的に伝えられるようにしておきましょう。可能であればエピソードを交えて「こういう工夫をした結果、売上が○○%伸びました」と説明できると説得力がアップします。 - 提案力・問題解決力
単に売るだけの営業ではなく、相手の課題を見つけ出して解決する営業マンは高く評価されます。過去に顧客のニーズを深掘りし、予想外の提案を行って成功した事例などを用意しておくと良いでしょう。 - コミュニケーションスタイル
チームメンバーや他部署とどのように連携し、成果を上げてきたかを具体的に話せると、「社内調整能力が高い」と捉えられます。営業職は社外とのコミュニケーションばかり注目されがちですが、社内のサポートをうまく引き出せる人材は重宝されるのです。 - 向上心・自己啓発への姿勢
20代はまだまだ伸びしろが大きいことを強みに、自己投資や学習意欲をアピールしましょう。「資格取得のために勉強中」「オンライン講座でマーケティングを学んでいます」など、プラスアルファの努力をしている人材は、企業から見ても魅力的です。
成果主義の会社で注意すべきことは?
営業成績を上げれば給与が大幅にアップする会社は魅力的ですが、同時に注意点もあります。以下の点を事前に確認しておくと、入社後のギャップを減らせるでしょう。
- ノルマが過度に高くないか
結果がすべて、という文化の会社では、ノルマやプレッシャーも非常に厳しいケースがあります。達成できないと給与が下がる、長時間労働が常態化しているなど、自分のワークライフバランスを崩しかねないので要注意です。 - 固定給とインセンティブのバランス
インセンティブ比率が高すぎると、ある月は給与が大きく増えても、別の月は著しく下がるなど、収入が不安定になるリスクがあります。貯蓄や生活設計をどうするか、しっかり考えておくことが必要でしょう。 - キャリアアップの道があるか
個人プレーで数字を追う営業職の場合、管理職やマネージャーなどの役職へステップアップできる制度があるかどうかも確認したいところです。長い目で見て、自分がどう成長できるかを意識しておきましょう。 - 企業文化や社風の相性
成果主義が行き過ぎるとギスギスした環境になりやすい場合も。面接での雰囲気や社内見学時の印象、口コミサイトなども参考に、企業が大切にしている価値観が自分に合うかどうかをチェックするのがおすすめです。
まとめ
20代の営業職の方が「給与アップ」を狙う転職は、決して夢物語ではありません。むしろ、この時期に自分の市場価値をしっかり見極め、新しい環境で実績を積むことで、キャリアを大きく加速させることができます。
大切なのは、自分がどんな成果を出せる営業マンなのかを具体的な数字やエピソードで示し、転職先の企業に「ぜひ一緒に働きたい」と思わせること。そのためには、過去の業務を丁寧に振り返り、実績を言語化する作業が欠かせません。また、どんな業界が自分の強みを活かしやすいか、成果主義の会社での注意点は何かなど、事前の情報収集をしっかり行いましょう。
転職エージェントを活用するのも大いにおすすめです。非公開求人の紹介や給与交渉の代行など、プロのサポートを得られることで、希望に近い条件を獲得しやすくなります。20代のうちに、チャレンジングな環境で実績を積めば、30代・40代でさらに高い給与やポジションを狙える可能性も広がるはず。あなたのキャリアを大きくステップアップさせる転職、ぜひ前向きに考えてみてください。
よくある質問/Q&A
Q1. 20代で営業から営業への転職を重ねると、逆に不利になることはありませんか?
A. 転職回数だけで不利になるとは限りません。大切なのは、転職ごとに“どんな実績を上げ、どう成長してきたか”を説明できるかどうか。自分のキャリアプランに沿った転職なら、むしろ評価される場合もあります。
Q2. 営業経験が浅いのですが、高い年収を得られる業界に転職するのは厳しいでしょうか?
A. 業界や企業によりますが、ポテンシャル採用に力を入れている企業も多数あります。20代なら吸収力や柔軟性を買われ、研修制度が充実した企業に入ってから成果を出して年収アップを狙うことも十分可能です。
Q3. 成果主義の会社だと、休日出勤や長時間労働が多いイメージがあります。ワークライフバランスを保つには?
A. 企業によっては“働き方改革”が進んでおり、成果主義でも無理な残業をさせないところも増えています。面接や会社説明会、口コミサイトなどから労働環境をよくリサーチし、納得できる企業を選ぶようにしましょう。
Q4. 年収アップだけが転職理由だと面接で言いにくいのですが、どう伝えればいい?
A. そのまま「お金が欲しいからです」と言ってしまうのは印象が悪いかもしれません。そこで「自分の成長や成果を正当に評価してもらいたい」と前向きに表現し、具体的なキャリア目標や意欲をセットで伝えると、納得感が高まります。
Q5. 転職エージェントを利用する際、複数社に登録しても大丈夫でしょうか?
A. 問題ありません。むしろ複数のエージェントを比較することで、より多くの求人情報やサポートを得られます。ただし、同じ企業に重複して応募しないよう、管理は慎重に行いましょう。